エアコン屋として一番気を付けなければならない&恐れるのはフレアからのガス漏れです。
ガス漏れしないためには
- 綺麗なフレア作る
- トルク管理をしっかりとする
この2つが重要です。
本記事では①の「綺麗なフレアを作る」の中で、銅管をカットした後に切断面のバリを取り、銅管の内側を綺麗に成型するために必要な工具のリーマーを解説して行きたいと思います。
リーマーの役目
まずはエアコン工事において、リーマーという工具がどんな役目を担っているかですが、
- 銅管の内側のバリをとる
- 銅管の内側を成型する。
の2点です。
銅管の内側のバリをとる
どんなに切れ味の良いチューブカッターを使ったとしても、どんなに気を使って銅管を切断しても、どうやっても銅管には少なからずのバリが出来てしまいます。
さらには最初は切れ味のいいチューブカッターでも、使っているうちに切れ味が落ちてしまって、バリが出やすくなってしまいます。
チューブカッターの切れ味や、銅管の切断具合に左右されずに、安定したフレア加工を行うためにはリーマーでのバリとりが重要です。
綺麗にバリが取れることがリーマーの最低条件であり、重要な条件です。
銅管の内側を成型する
銅管にリーマーをかけるのはフレア加工をするためにリーマーをかけます。
フレア加工では銅管を徐々に拡げていき、ツバをつくるのですが、リーマーによる成型がきちんとされていないと、出来上がったフレアに段差が出来てしまいます。
その成型も削ったあとの銅管の肉厚が均一になるようにしなければなりません。肉厚が均一にならなければ、フレア加工されたフレアも肉厚が均一にならずにガス漏れにつながります。
ただ、削りすぎると肉厚が薄くなってしまって、フレア加工した時に割れてしまうので、内側の角を軽くとる感じがいいかと思います。
求めるリーマーの要件は?
綺麗にバリが取れること。と均一に綺麗に銅管の内側が成型できることです。
そのためには、綺麗にバリがとれる刃の形だったり切れ味があること、もしくはそのような作り方であることであり、構造的に均一に力を入れやすく形であることだと思います。
おすすめリーマー
求めるリーマーの要件として、
- 綺麗にバリがとれる
- 綺麗に銅管の内側が成型される
があります。
また、リーマーとひとくくりに言っても、色々な種類があり、構造的にも仕組み的に違いがあります。
それぞれのリーマーの特長と、おすすめのリーマーを紹介して行きたいと思います。
くるくるクランク式リーマー
リーマーの軸の部分がクランク状になっていて、くるくるとリーマーを回すことが出来る構造です。
今、私が使用しているリーマーも、このクランク式です。
くるくる回すだけ
クルクル回せるのはクランク式になっているからです。
回すたびにリーマーを持ちかえる必要もなく、力が掛けやすくて手首が疲れません。
もちろん狭い場所でも作業性は抜群です。
仕上がりが綺麗な一枚刃
このクランプ式リーマーは仕上がりがとても綺麗です。
クランプ式ということもありますが、刃が1枚刃になっているのもいいと思います。
削った切りくずもハイプの中に残らないで外に落ちる構造なのもポイントの一つです。
対応する冷媒管は1/4~5/8までとなっています。もし切れ味がわるくなっても替刃が販売されているので安心ですね。
おすすめのクランク式リーマー
電ドラボール+リーマー
最近、この組み合わせで使われている方が多くなっているのではないでしょうか?
そもそも、ベッセルから電ドラボールが発売され爆発的に普及し、一定回転で回転する特徴に目をつけたエアコン屋さんが試して主にネットで拡散したのが始まりのようですね。
リーマーをかける工程は時間にすると数十秒ですが、作業時間以外にも色々と利点があるようです。
電動だからこそ、均一に仕上がる
作業時間的には手動のリーマーを使った場合とそれほど変わらず、力もそれほど使わないバリとり作業において、なぜ電ドラボールを使ってリーマーをかけるのでしょう?
それは電ドラボールが一定に回転するという仕様にあります。
手動でリーマーをかける場合、どうしてもリーマーを回転させる速さや力の具合に“ムラ”がでてしまします。
ところが、電ドラボールは無段階回転ではなく一定速度の使用なので、スイッチをONにすると常に一定の回転数でリーマーをかけることが出来ます。
一定の回転数ということは、ムラがなくリーマーをかけることが出来るという事につながります。
電ドラボールのそれほど高速でない回転数もリーマー作業にあっているんじゃないかと思います。
おすすめは王道の組み合わせ
大口径用には円筒型リーマー
主にパッケージエアコンなどの業務用エアコンや、冷凍機をメインにされている方は径の大きい銅管を扱っていると思います。
径が大きくなると、クランク式リーマーは電ドラボール+リーマーだといまいち綺麗にバリ取りが出来ません。
そんな大口径(6分以上の配管になるでしょうか)には円筒型のリーマーがおすすめです。
ただ、円筒型リーマーなら何でもよい訳でもなく、選ぶリーマーにいくつかのポイントがあります。
刃数の多いリーマーを選ぶ
エアコン用で使う銅管リーマーだと3~5枚刃が一般的のようですが、ステンレス管や鋼管のバリ取りも出来るモデルだと30枚以上にもなります。
大口径の銅管を扱う場合は、ぜひ刃数の多いステンレス管や鋼管にも対応したリーマーを選びましょう。
刃数が多い分、バリ取りにムラが起きにくく綺麗に仕上げることができます。
また、金属全般に使える分バリ取り能力はずばらしく、スムーズなバリ取りを可能にします。
手動パイプリーマの世界最高峰 ユニバーサルリーマー
円筒型のリーマーでおすすめなのが、アサダのユニバーサルリーマーです。
大口径だけではなく、小口径のバリ取りに関しても世界の最高峰と言ってもいいです。
適合配管は銅・鉄、ステンレス、アルミ、真鍮、プラスチック。金属管全般に使える切削能力と抜群の耐久性を誇るパイプリーマです。
ラインナップはR11006XとR70075の2種類。
R11006XとR70075の違いは適合配管サイズです。R11006XはΦ6mm~Φ35mmまでの配管を36枚刃構造で、R70075は9mm~54mmまでの配管を39枚刃構造で、どちらも同じレベルに仕上げてくれます。
ユニバーサルリーマは同等品と比較して高価ですが、パイプに力を加えずとも真円を作りながら切断面のバリをきれいに削り取り、切断面を滑らかに仕上げられます!
まとめ
エアコン取付において、フレアの加工は大変重要なポイントです。リーマーを使うことによってフレア加工の下準備をしっかりと行い、確実なフレア加工をしましょう。