エアコンの冷媒管は銅管です。
ルームエアコン用の2分3分の冷媒管くらいなら手で曲げることも出来ますが、それより太い冷媒管を無理して曲げようとすると曲げるどころか折れてしまうこともあります。
また、2分3分の冷媒管でもスリムダクト内(特に室内のダクト)にきちんと収めようとなると、小さいR で曲げなければならず、簡単にはいきません。
そこで使われるのが銅管ベンダーになります。
ベンダーには色々な種類があり、現場の状況や銅管の太さ、曲げる箇所によって使い分ける必要があります。
ここではベンダーの種類と、それぞれのベンダーがどんな状況で使われ、どんな冷媒管に適しているか解説していきたいと思います。
ベンダーの種類
ベンダーといっても色々な種類があり、銅管の太さや、施工の状況によって最適なベンダーが違ってきます。
まずはそれぞれのベンダーの紹介と、どんな時に使われるのかを紹介していきます。
レバー式ベンダー
レバー式ベンダーは、ルームエアコンで使用する2分から4分の冷媒管を曲げるのに最適なベンダーです。
他のベンダーよりも軽く取り回しがいいのが特徴です。
ルームエアコンでは狭いR で曲げることが多いので、手軽に使えるこのタイプが重宝します。
おすすめのレバー式ベンダー
おすすめはインペリアルの3in1チューブベンダー 370FHです。
エアコン工事専用のベンダーであり、1本で2分・3分・4分の3種類の冷媒管に対応しています。
角度の目盛りもついていて
ルームエアコン取付を数多くやっている方ならこれ1本で十分です。工具を無駄に増やすことなく経済的なのもポイントです。
ラチェット式ベンダー
次にラチェット式ベンダーです。
主にパッケージエアコン用ですが、ルームエアコンの2分から7分まの冷媒管に対応する一般的なベンダーです。
おすすめのラチェット式ベンダー
1日に何回も曲げる方は油圧式がおすすめです。
ラチェット式でも5分(15.88mm)位の冷媒管になってくると、曲げるのが大変になってきます。
1回や2回くらいだと我慢出来るのですが、何回もとなると辛いですよね。
そんな時は油圧式のベンダーがおすすめです。
スプリングベンダー
銅管用スプリングベンダー
ちょっとした曲げに使いたいのがこちらです。名前の通りスプリングの構造になっていて、銅管を中に差し込んで曲げます。
室外機への接続する時に、冷媒管の曲げに使うことが多いですね。
被膜銅管付スプリングベンダー
こちらは被膜、断熱材が銅管についていても使えるスプリングベンダーです。
上のものとは違って、銅管の中にスプリングベンダーを差し込む形になります。
使用する場所にもよりますが、こちらの銅管の中に差し込む方が何かと使い勝手がいいですね。
ただ、あまりRをつけすぎると抜けにくくなることがあるので注意です。
座屈防止剤
ベンダーとは呼べないかもしれませんが、この座屈防止剤も紹介します。
こちらは銅管の中に差し込んで使うタイプです。銅管を曲げる時にも使いますし、なにより先行配管の時に折れ曲げ防止の為に差し込んでおくと安心です。
より美しく、より確実に
ベンダーには色々種類があります。
一番曲げのRが小さいのが、ラチェット式やレバー式で曲げるタイプで、その次がスプリングベンダー、座屈防止剤と続きます。
パッケージエアコンの取付の際はラチェット式がメインになるでしょうし、ルームエアコンの場合はレバー式、もしくはスプリングベンダーがメインになると思います。
その現場に合わせて、適材適所でベンダーを選んでください。面倒だからと言って手で曲げると仕上がりも綺麗になりませんし、万が一銅管を折ってしまったら逆に時間がかかってしまいます。
より美しく、より確実に仕上げるために適切なベンダーを使いましょう。