最近では便利な工具が沢山販売されています。どれも作業を効率的に、確実に行えるように考えられた工具になります。このページではエアコンの取付するときに使う工具を、手順を追って紹介したいと思います。
室内機の据付板を取り付ける
まずは設置場所の確認
エアコン取付はまず始めに室内機の据付板を設置するのが一般的だと思います。カーテンレールやコンセントの位置などに注意しながら室内機の大体の取付場所が決め、穴あけ位置や室外側の配管が通るルートの確認もしてから作業を始めましょう。
まずは壁裏センサーでチェックします
穴あけ位置の壁裏に筋交いや鉄筋、配線などの障害物がないか壁裏センサーでチェックします。特に筋交いはエアコンの穴あけ位置に当たりやすいのでしっかり、確実に確認しましょう。
水平器で据付板のレベルをチェックします
据付板を仮置きして室内機が斜めにならないように水平器を当てレベルをチェックします。レベルがきちんとしてないとドレインがきちんと室外に排出されず、部屋の中に垂れてくるので注意です。
ボードアンカーの取付
穴あけ位置を確認して下穴を空け、ボードアンカーを取付ます。
ねじ込み式のアンカーは室内機が落下する危険があるので使用してはいけません。必ず金属製のアンカーを使用するようにしましょう。
据付板の取付
ボードアンカーを取り付けたら据付板を取付ます。再度、水平器でレベルを確認しながら取付ましょう。ネジの締め込みにはそれほどトルクが必要ないので、ペン型インパクトが便利です。
マキタ 充電式ペンインパクトドライバ TD022DSHX
穴をあける
据付板を取り付けたら冷媒管が通る穴を空けます。据付板に書かれている穴あけ位置を確認してセンターに一度ドリルで下穴を空けると後々の作業が楽になります。
下穴を空けたらコアドリルで穴を空けます。壁裏センサーで一度チェックしていますが、下地のボードに穴が空いた時点でもう一度壁裏をチェックしましょう。配線や断熱材がある場合は穴あけの際に傷つけないように寄せておきます。
コアドリルは外壁の材質にあったコアドリルを取付ましょう。また外壁がモルタルなどの場合は振動ドリルが必要になる場合もあります。
外壁まで障害物がないことを確認して、再度コアドリルを差し込み外壁に穴を空け貫通させます。貫通したらスリーブを入れ、壁中から虫などが入ってこないように処理をしましょう。
コアドリル
コアドリルの選び方
ハンマードリル
振動ドリルより強力な打撃があるハンマードリルです。ルームエアコンの穴あけには少しオーバースペックな機種もあるかもしれませんが、パッケージエアコンなどの大径の穴あけにはいいですね。
化粧ダクトを取り付ける
室内外の穴あけが完了したら化粧ダクトを取付ます。貫通穴から室外機までのルートを確認してウォールコーナーなどから取付けて行きます。
化粧ダクトをカットする
ルートに合わせてダクトカッターでスリムダクトをカットします。カットはダクトカッターで行うと綺麗に素早く行うことが出来ます。
花園工具 ダクトカッター VD2200
化粧ダクトを取り付ける
外壁に化粧ダクトを取り付ける場合、ペンインパクトだと少々力不足です。不安定な足場で作業することが多いで、なるべく軽くて取り回しがいいインパクトがいいですよね。そんなエアコン屋にとって一番のインパクトがマキタの10.8Vモデルです。
マキタ 10.8V インパクトドライバー TD111D
外壁がコンクリート・モルタルの場合は振動ドリルで
外壁がコンクリートやモルタルの場合は一度振動ドリルで下穴を空けてからコンクートビスを打ち込みます。この時、振動ドリルモードがついているマルチインパクトドライバーがあるとドリルを持ち帰る必要がなく、大変便利です。
マキタ マルチインパクトドライバー TP141DRMX
室内機側への冷媒管接続
冷媒管のフレア加工(室内機側)
冷媒管を室内機側に接続するためにフレア加工を行います。
まずはチューブカッターで冷媒管を切ります。この時、室内機側から出ている冷媒管に合わせ、冷媒管の液側を5~6cm短く切ります。
タスコ チューブカッター TA560AG
次にリーマーでバリ取りです。バリが冷媒管の中に入らないように下に向けてバリ取りを行いましょう。
タスコ クランクリーマー TA520CK
そしてフレア加工です。最近では電動のものから手動のものまで、色々な種類が販売されています。作業環境や好みに合わせて使い分けるようにしましょう。
REX コードレスフレアツール RF20SⅡ
タスコ アルミ製ラチェットハンドル式フレアツール TA550AH
冷媒管を接続(室内機側へ)
トルクレンチでしっかりとトルク管理しながら接続をします。この時、ナットに対して斜めにならずにトルクレンチを掛けて下さい。きちんとしたトルクで締め込みが出来ずにガス漏れの原因となります。締め込み後は断熱を処理して接続は完了です。
タスコ トルクレンチ TA771FC
冷媒管の配管
室内機側と冷媒管を接続したら、化粧ダクトに合わせて冷媒管を配管していきます。途中、曲がりがキツイ所はベンダーを使って冷媒管を曲げて下さい。
インペリアル 3in1ベンダ- 370-FH
室外機を取り付ける
架台の設置
架台を設置する必要があるのなら、倒れ防止のコンクリートブロックのハンマードリルで穴を空けてアンカーで止めましょう。
室外機側への冷媒管接続
室内機側へと同様に冷媒管のフレア加工、そして接続を行いましょう。使用する工具は室外機側への冷媒管接続で使うものと一緒です。冷媒管はしっかりとバリ取りを行ってフレアを作り、締め付けはトルクレンチを使ってしっかりと締め付けましょう。
真空引き
真空引きは真空ポンプを使って行います。真空値はマニホールドでチェックです。配管の中に水分や空気が入っていると、故障や能力低下につながるので真空引きは確実に行いましょう。真空引き後、しばらく置いて真空値が下がらないならOKです。
エアコン屋が選ぶおすすめ真空ポンプ
試運転
そして最後にガスを開放して、試運転です。ガス漏れなどがないか、スプレーで再度つなぎ目をチェックしましょう。また、室内機・室外機の動きの確認、振動や異音の確認、吹き出し温度の確認も必要です。
工具って重要ですね
以上がルームエアコンの取付の流れと使用する工具になります。状況によっては、また違う工具が必要になったりもしますし、手に馴染んだ別の工具で作業される方もいらっしゃるでしょう。
エアコンの取付には色々な工具が必要です。また工具も日々進化をしていて、新しいものが次々と発売されています。作業の効率化を図るためにも日々アンテナを張っておきたいですね。